2024年2月26日月曜日

長野県下諏訪のウスバキトンボ

長野県下諏訪のウスバキトンボ

2012 年 8 月 15 日の観察記録の再掲である。

長野県下諏訪町・湖浜の交差点付近で,ウスバキトンボ(Pantala flavescensを 4, 5 匹見かけた。

縄張り争いか,互いに牽制しあっているかのような飛翔であった。下の写真は,見にくいが,赤矢印の先端付近に飛翔中のウスバキトンボである。

拡大図が以下のもの。

車も人も来ない場所は,いくらでもあるのに、なぜこの場所で,という疑問が残った。

日本各地どこにでもいるトンボと言われるが,岡谷市内では見かけることが少なくなった気がする。

ただし,このトンボは沖縄のような亜熱帯地域でないと,越冬できないと言われている。現状でもそうだろうか?各地で継続的な生息調査をしたほうが良いと思う。

渡り鳥ならぬ,渡りトンボと言われるだけあって,とにかく飛んでばかり,止まることが少ない。子供のころ,ピョンピョン飛び上がって網を振り,捕まえた懐かしい記憶がある。

ネット上の写真でも止まっているものが多く,飛翔ビデオはあっても,飛翔写真は少ない。

トンボ関連のページ

2024年2月9日金曜日

となりのヒグマ山ありダニあり: 北海道日高町ポスター

となりのヒグマ山ありダニあり: 北海道日高町ポスター

全国ホタル研究会北海道日高大会が, 2023 年 7 月 15 日に,国立日高青少年自然の家で開催された。

そのとき見かけた掲示板のポスターが,となりのヒグマやまありダニありだ。ヒグマにも,ダニにも,注意!,という内容だが,絵本にも使えそうな絵だった。

山あり ダニあり は,厚生労働省のダニ媒介感染症予防啓発ポスターであるようだ。

私の発表は,「長野県におけるヒメボタル雄の体サイズの特徴と分布」だった。これに関しては,その後,論文化された。

Iguchi Y. (2023)
Allometric approach to the two male morphs in the Japanese firefly Luciola parvula.
Frontiers in Insect Science, 3, 1230363.

Iguchi Y (2024)
Geographic Differences in Allometric Patterns of Males of the Japanese Firefly Luciola parvula.
Advances in Entomology, 12: 18-23.

これに関しては,以下のサイトも参照。

2024年1月2日火曜日

第45回全国ホタル研究会は,鹿児島県霧島市



平成24年(2012年)の全国ホタル研究会 第45回大会は,鹿児島県霧島市・霧島国際ホテルで,5月18~20日に開催された。

霧島は,日本ジオパークにも選定されている。

霧島では,岩石のような無生物環境から,生物環境まで含めた地域全体,さらには地球の一部としての私たちの存在を実感してもらうため,ここ霧島の環境を学び親しんでもらおうと努力している。

現在,国内には20ヶ所の日本ジオパーク選定地域があり,そのうち,

洞爺湖有珠山,糸魚川,島原半島,山陰海岸,室戸

の5ヶ所が世界ジオパークに選定されている。

参考:
霧島ジオパーク・ホームページ
日本ジオパークネットワーク・ホームページ


大きな地図で見る

鹿児島のホタル成虫の発生は,長野県より1ヶ月も早い。

大会発表者は,以下の通り。

霧島市立霧島中学校ホタル部 「ホタルの舞う里 郷土「霧島」を目指して」
駅前ホタル会 「駅前ホタル会の活動について」
大村 俊朗・幸野 昌廣 「ゲンジボタルの水路にカンレイシャを使用してみて」
王子町ホタル愛好会 「地域連携による「ホタルの里」作りについての活動報告」
村上 伸茲 「ホタル移植指針とホタル再生・保護活動」
大場 信義 「東アジアに分布するスジグロベニボタル属ホタルの外部形態・色彩斑紋変異と生活環境」
大内 紘三 「資料、文献にみるヘイケボタルの化性とゲンジボタル」
後藤 好正 「横浜市におけるゲンジボタルの明滅周期について~在来個体群と移入個体群の比較~」
井口 豊 「長野県辰野町の在来ゲンジボタルの発光パターン」
三石暉弥 「400年余の歴史を刻む善光寺用水の改修とホタルを主体とした生き物の保全」
私の発表については,以下のサイトを参照。

井口豊 (2011)
長野県辰野町の在来ゲンジボタルの発光パターン
全国ホタル研究会誌 44: 1-3.

余談だが,三石先生は,長野ホタルの会会長であり,私の高校時代の恩師でもある。


写真左が私,井口豊,右が,三石暉弥先生。

三石先生のゲンジボタルの保護活動や研究に関しては,以下のウェブサイトに詳しく書いた。

2023年12月31日日曜日

2022年5月7日土曜日

英語で,以上,以下を間違えやすい:NHKラジオ・高校生からはじめる「現代英語」

NHKラジオ・高校生からはじめる「現代英語」,2019年2月12日放送の話題である。

そこで,以上・以下,超(より多い)・未満を英語できちんと区別せよ,という話を聞いた。

以前,私も生物系の論文で指摘したことがある。

井口豊 (1994)
なぜ"more than"を誤訳するのか?
生物科学,46(3): 159-163.

more や less を使った比較で,正確な翻訳が出来ていないのである。要するに,不等号に等号を含むのか(≧),含まないのか(>),という問題である。

私が取り上げた例では,有名な出版社の大学入試問題解説でも間違えているものがあった。

数学や理科でなく,「英語」の問題だから,1以上でも,1より多い(大きい)でも,本質的な問題ではない,とも言える。しかしそれでも,納得できないような例もあった。

NHKラジオ・高校生からはじめる「現代英語」,この2月12日放送分を聞いていて,以上・以下,超(より多い)・未満を英語できちんと区別せよ,との指摘が為されていて,さすが,この番組だなと思った。

「社会・経済・科学技術・文化など多岐にわたるニュース」を扱う番組だったから,当然と言えば,当然だろう。

たかがラジオ講座と侮ってはいけない。聞き流しているだけでも,役立つ情報を得られることがある。実践ビジネス英語で聞いた統計学的な話題も,別ページに解説した。

NHK実践ビジネス英語:統計学用語・四分位quartileを巡って

これも,大学生でさえ(理系でも?),理解していない人が多そうな問題であった。

なお,四分位数に関しては,以下のページも参照してほしい。

四分位偏差は,どのように使われるか?変動係数の話題も含めて

2021年11月20日土曜日

大鹿村の中央構造線

長野県南部,大鹿村で見られる中央構造線

中央構造線(Median Tectonic Line, MTL)は,九州から,四国,紀伊半島を通り,諏訪湖に達する大断層である。
大鹿村では,その断層が明瞭に観察され,中央構造線博物館は,その断層上にあり,2011年5月4日に訪問した。


次の写真は,博物館裏手に見える崖崩れ跡で,1961年の水害で出来たものである。


露出している白っぽい岩石(雪ではない!)は,いわゆる「鹿塩(かしお)マイロナイト」。大学地学の教科書にも出てくる,断層のずれによって変形・変質して出来た有名な岩石。

写真の崖崩れ跡を見て分かるように,この岩石はもろく崩れやすいが,この大鹿村近くで,この断層をトンネルで横切って通過させようと計画されているのが中央リニア新幹線である。

中央構造線に沿って,この大鹿村北方には,分坑峠があり,最近パワースポットとしてテレビでも取り上げられる。博物館にも,このパワースポットについて質問するお客さんたちが来ていて,少々びっくりした。

大鹿村以北の中央構造線の活動時期に関して,高木ほか(2019)によって,大鹿村の北北東,約 30 km に位置する伊那市・長谷の美和湖東岸で,10 万年前以降に活動したことが認められている。

参考文献
高木秀雄・杉山幸太郎・田村糸子・水野清秀・北澤夏樹・河本和朗 (2019)
長野県伊那市の中央構造線非持露頭における最新活動の認定
活断層研究 50: 1-12.

2018年10月10日水曜日

北海道・新函館北斗駅,窓ガラスのデザインは「赤とんぼ」

全国ホタル研究会,前回の北海道大会(稚内,2018)の会誌が公開されました。

井口豊 (2018) ホタルの文化昆虫学研究史 ― 全国ホタル研究会誌を例として ―.全国ホタル研究会誌 51: 6-8. PDF
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2018年7月に,全国ホタル研究会で,ホタルの文化昆虫学的研究について発表するために,北海道・稚内に行ってきた。
北海道新幹線で行き,終点で下車したところが,新函館北斗駅である。駅内および周辺の様子は,函館市公式観光情報の北海道新幹線・新函館北斗駅、徹底ガイドを見てほしい。

下の写真が,その駅の出入り口である。



ガラス中央付近を見て欲しい。



赤とんぼ,赤とんぼ・・,赤とんぼの群飛なのである。ここだけでなく,2階へ上がって改札内にある窓ガラスにも,赤とんぼが描かれている。

駅内 1 階通路にあるイベントスペースを覗くと,この理由がすぐ分かる。

童謡「赤とんぼ」の作詞者・三木露風ゆかりの地がここなのだ。

三木露風と言えば,生誕地は,兵庫県たつの市であり,赤とんぼは,そこのイメージキャラクターになっている。たつの市ホームページを見ると,それがよくわかる。これについては,高田兼太のイトメン・チャンポンめん論文も是非読んで欲しい。たつの市にあるイトメン株式会社のキャラクターが,「赤とんぼ」に由来することを論じている。

高田兼太(2018)
食品パッケージに見られるレアな昆虫の事例Ⅱ
イトメン株式会社の「チャンポンめん」
伊丹市昆虫館研究報告 第6号

新函館北斗駅には,外国人旅行者も,かなり多く見られた。しかし,残念なことに,この赤とんぼ模様に気づく人は,ほとんどいないようだ。JR北海道(特に,北海道新幹線)も,北斗市も,「窓の赤とんぼ,見てください!!」と,もっと宣伝しても良いと思う。

関連ページ