全国ホタル研究会・第46回大会は,福岡県北九州市・北九州国際会議場で, 6 月 7 日(金)~ 9 日(日)に開催された。
私の発表は,長野の志賀高原におけるゲンジボタル Nipponoluciola cruciata (以前は Luciola cruciata) の成虫出現個体数の変化についてであった。
井口豊 (2013)
志賀高原・石の湯におけるゲンジボタル成虫の出現パ ターン
全国ホタル研究会誌 46: 26-28.
様々な専門的な研究発表があったが,その合間に行われた久米島ホタレンジャーの子供たちによる人形劇「山のくみ汁」も興味深かった。通常の研究会や学会では,なかなか見られないものである。
この大会で,福井工大の草桶秀夫氏らが,辰野のゲンジボタル DNA 分析結果を改めて示し,松尾峡では関西からの移入ホタルが養殖されていると結論づけた。
木村和裕・日和佳政・草桶秀夫 (2013)
ゲンジボタルの遺伝子解析による人為的放流か自然発生かの判別法
全国ホタル研究会誌 46: 29-41.
その上で草桶氏は,ホタル養殖に関して,全国の自治体に情報公開を呼びかけた。
ホタルを移入した場合,あるいは,移入であることが判明した場合,少なくとも役場や役所など自治体が関わるホタル飼育事業であるならば,移入元を公表するのが自治体の責務だ,と草桶氏は訴えたのである。私も全く同意見である。