2018年2月26日月曜日

白馬村の天然記念物「神城断層」:2014年長野県神城断層地震の痕跡

2014年11月22日長野県北部で発生したM6.7の地震では,糸魚川-静岡構造線系の活断層「神城断層」に沿って,白馬村を中心に大きな被害が出た。

その地震よって生じた撓曲構造の一つが,2015年3月5日に,白馬村の天然記念物「神城断層」に指定された(白馬村行政ホームページ,白馬村指定文化財)。

しかしながら,この行政ページには,その断層の位置図が掲載されていないので,その位置が分かりづらい。しかも,これが白馬村天然記念物だということ自体が,あまり知られていない気がする。

まずここに Google マップで,その位置を示す。白馬村,城山の西側,共和工業(株)の敷地内に,その天然記念物の断層がある。



神城断層地震から3年経た2017年10月11日に,白馬村における地形と植生の現状を,私は調査した(井口,2017)。そのとき,天然記念物「神城断層」は,次の写真のように,ビニールシートで覆われていたが,撓曲構造がそのまま残され保存されていた。写真奥に見えるのが城山であり,城山の南西側から北東に向かって撮影されたものである。東側が隆起した神城断層の活動状況が残されている。

白馬村天然記念物「神城断層」

Google マップの航空写真でも,この天然記念物「神城断層」の所在がよくわかる。



日本活断層学会2017年度秋季大会で,岡田(2017)は,日本各地で活断層観察施設が充実していくことの重要性を強調した。しかし,残念ながら,白馬村の天然記念物「神城断層」は,ビニールシートで覆われただけであり,説明の看板すらなかった(2017年10月11日時点)。せっかく村の天然記念物として保存するのだから,せめて説明看板を設置してほしかった。

ウィキペディアの神城断層の項目にも,天然記念物「神城断層」の場所の記述がなかったので,役場ホームページのリンク先とともに,追記した(2018年3月4日(日)08:13,Iguchi-Y)。

白馬村大出の神城断層沿いの倒木の特徴が統計学的に調べられ,断層崖に直交する方向から左寄りに倒れている地点があり,左横ずれ断層運動の影響を受けていると推定された(井口,2018)。

参考文献
井口豊 (2017) 2014年長野県神城断層地震後の地形と植生の変化. 日本活断層学会2017年度秋季学術大会講演予稿集: 102-103.
井口豊 (2018) 2014 年長野県北部地震における神城断層沿いの森林被害の特徴. 日本地理学会発表要旨集 93: 231(2018 年度日本地理学会春季学術大会)
岡田篤正 (2017) 活断層資料の集中的な保管・収集に向けた資料館の必要性. 日本活断層学会2017年度秋季学術大会講演予稿集: 34-35.
下田力・大塚勉・佐藤翔・加藤祐輝(2016)長野県白馬村における神城断層の地形を利用した歴史遺構.信州大学環境科学年報 38: 79-88.