2014年1月14日火曜日

コクワガタの論文が医学論文扱い?


コクワガタ Dorcus rectus が形態学的に3型(trimorphismであることを明らかにした私の論文

Y. Iguchi (2013)
Male mandible trimorphism in the stag beetle Dorcus rectus (Coleoptera: Lucanidae)
European Journal of Entomology, 110: 159-163.

この論文が,HighBeam Researchというサイトで,医学関係の論文のように扱われていると最近知って仰天した。
Medical News Article on Entomology
Studies Conducted by Y. Iguchi et al on Entomology Recently Reported
しかも
originating from Nagano, Japan
となっていて,わざわざ日本の長野発のニュースであると書いているのには,二重にびっくり。

私としては医学や薬学の研究に役立つと思って書いたつもりはないのだが,なぜ Medical News なのだろうか?しかも,著者が, Y. Iguchi et al となっていて,複数著者であることを示しているが,実際には,私ひとりの単独著者である。

この論文の取り上げ方に関しては,他にもびっくりしたことがある。それは,科学技術総合リンクセンター J-GLOBAL に書かれたタイトルの翻訳である。
クワガタムシ,Dorcus rectus(甲虫類:クワガタムシ科)における雄下顎骨三様変態
下顎骨三様変態とは,なんともスゴイ名称ではないか。まるで医学(解剖学)論文並みである。

たぶん機械翻訳だろうが,もう少しクワガタムシの形態らしい翻訳は出来なかったかと思う。ただし,ここで私が翻訳すると,かえって混乱を招く恐れもあるので,やめておく。

このような例をネット上で見るにつけ,正式な学術論文を書いても,自分の意図とは異なる取り上げられ方をすることがある,と改めて思った。

余談だが,コクワガタの属名は,今ではオオクワガタと同じ Dorcus が用いられるのが普通である。しかし以前は, Macrodorcas が用いられることもあった。

実際,かなり前に「月刊むし」に書いた論文

井口豊 (1994) コクワガタの寿命について. 月刊むし, 280: 26.

この英文タイトル

The life span of of Macrodorcas rectus (Motschulsky)

このように, Macrodorcas を用いている。

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関連ウエブページ

コクワガタ3型の論文が,チェコ・カレル大学の卒論で引用された?