2012年11月8日木曜日

母数は,母集団サイズのことではない!政治家も新聞記者も誤用する


どうにも,母数という用語の誤った用法が気になる。

本日(11月8日)の朝日新聞・朝刊4面に,
たちあがれ日本・園田博之幹事長が,「多数決の母数がわからない」と発言した
という記事が書かれているが,これは典型的な誤りである。

母数とは,確率分布を決定する統計量であり,パラメータ(parameter)のことなのである。詳しくは,生物科学研究所の統計学的手法の話題を参照:

園田氏は,母集団サイズのつもりで発言したのだろうが,政党を代表する政治家が間違った用語を使うのは情けない。単なる勘違いではなく,母数の意味を理解してないのかもしれない。

これは,園田氏の個人的発言だが,以前には,朝日新聞の統計調査の記事でも,母数を母集団サイズと書く誤りを犯しているのである。

今春大卒2割、進路未定 学部間差、最大5倍

この記事で,次のように書いている。
文科省の調査は母数を「就職希望者」としているのに対し、今回の調査は卒業生全体を母数に取っている
一見して誤った用法だと分かる。これまた,単なる勘違いではなく,母数の意味を理解してないのかもしれない。

実は,朝日新聞のオンライン用語辞典kotobanku(コトバンク)にも,母集団を規定するパラメータときちんと書かれているのである。

日本を代表する新聞社が,統計調査の報告で,統計用語を間違うとは,笑えない冗談ではないか。しっかりしてほしい。

************
(追記)

自民党の茂木敏充・衆議院議員も,三浦瑠麗氏との対談の中で,女性議員が少ないことについて母数を誤用している。
国際政治学者・三浦瑠麗×自民党選対委員長・茂木敏充「18歳選挙権・政治に興味のない世代へのアプローチ」
もともと母数が少ないので、女性議員の数も少なくなってしまうわけです。

大学1,2年で,文理共通の数学レベルの用語なのだが,国会議員が誤用するとは,情けないことである。