2010年10月22日金曜日

生物多様性を無視した辰野町ほたる祭り駐車場


辰野ほたる祭りの駐車場となる,ほたる童謡公園駐車場である。松尾峡ゲンジボタルは観光用に移入養殖された外来種である。その外来種養殖事業の結果として,ここに本来生息していた在来ゲンジボタルは絶滅してしまった。
辰野町役場は,それを隠して,地元のホタルを保護し増やしてきたと宣伝している(辰野町観光サイト)。その上で,役場は観光客から,ホタル保護育成協力金や駐車場料金を徴収している。



辰野町ほたる童謡公園のホタル観光客用駐車場は,かつては水田で,ヘイケボタルの生息地でもあったが,ゲンジボタル観光事業の目的で駐車場と化した。ホタル祭期間中は有料となり町の収入源となる。1990年代に水田地帯であったことは,国土地理院の古い航空写真で見られるので比べてほしい。例えば,以下の航空写真は,1974-1978年のものである。



水田の維持管理は大変だろう。ヘイケはゲンジに比べ見劣りし観光目的に適さないから,死滅しても気にしない人も多いだろう。観光客も近くに駐車場があれば楽だろう。さらに有料駐車場とすることで経済的利益も生むだろう。

しかしながら,ホタルの里,ホタル保護の町を標榜するならば,観光客に無理してもらっても,ヘイケボタル生息地もきちんと保護すべきだった。90年代は既に生物多様性保全が重視されていたにも関わらず,ここは経済・観光優先の事業だった。

このように,外来種ホタルを地元ホタルと称して養殖し,観光客集めをする辰野町の姿は,昨年7月8日に放送されたTBSドラマ「神の舌を持つ男」,第1話「殺しは蛍が見ていた」のモデルにもなった。それについては,私の研究室ブログ参照。